サハリン

サハリン消息/「ダ〜チャ」

ユジノでやった極東・東シベリア弁論大会で、「ダーチャ」についてスピーチした学生がいました。この大会の模様は同僚教師がDVDに録画してくれていて、それを編集したものをもらっていました。しかし、支給品のパソコンは型が古く、CDの読み取りはでき…

サハリン消息/「サハリン検定」

「京都検定」「映画検定」など、日本では最近検定試験ばやりのようですね。別にそれにあやかったわけではないのだが、実はこんな検定を企てています。 サハリンは日本との深いつながりがある地域なので、ガイドの需要も日本語能力の需要もあります。しかしな…

サハリン消息/古き慣わしいくつか

以前ハバロフスクにいたとき、冬の休みに外国語図書館に通って、レオポルド・フォン・シュレンクが1854−56年にアムール川下流地方やサハリンで行なった調査の記録「アムール誌」を閲読しました。図書館と言っても、普通の住居を転用していて、閲覧室は…

サハリン消息/「贅沢」旅行

最近は宇宙旅行もできるそうだが、億単位のかかりというから、さすがにこれは例外としましょう。それを除いて、日本人にとっていちばん贅沢な旅行先はどこだと思いますか? 私は迷わず、サハリンだと答えます。宗谷海峡は40キロ、津軽海峡(20キロ)より…

サハリン消息/ウズベクを忘れろ

サハリンへの赴任が決まったとき、「ふーむ」と思いました。「大丈夫か?」 前に勤めていたフェルガナと、およそ対蹠的でしたから。日本との距離がまず全然違う。単なる物理的距離でいえば、モスクワより近いのだし、決してそんなに遠くはないのだが、関係の…

サハリン消息/眼鏡の呪い

うちの教員室が、どれだけ世界の縮図になっているかは知りませんけどね。日本人教師はほとんどが眼鏡をかけています。5人中4人。かけてないのは1人だけ。もう1人してないのがいますが、彼はサハリンの生まれで、ここで大学も出たという、日本語が母語と…

サハリン消息/珈琲頌

日本女性は一致結束してコーヒーに砂糖を入れないことに決めているようで、ルーマニアやロシアなどで彼女たちの案内をしていると、喫茶店で困ってしまうことがあります。安い店など、問答無用、最初から砂糖がどっさり放り込んでありますからね。入れないで…

サハリン消息/教師会会報

3月に新しく組織されたサハリン日本語教師会が、会報第1号を出しました。 それは結構なこと、と聞こえます。誤って感心してくれる方も中にはいるかもしれませんが、ご無用、ご無用。だって全然実体が伴っていないのだものね。だから旗を立てなきゃならない…

サハリン消息/雪の民主主義

疲れというのは、適度であれば心地よいものです。外が寒いほど暖かい布団にくるまってよく眠れます。そして目が覚めると、外の景色が一変している。魔法、というものを私は信じているフシがありますが、見たことはありません。雪はだが、それに近いものでは…

サハリン消息/マークシート

12月4日(日)、日本語能力試験の模擬試験を、本試験と同じ日に、本試験と同じ形式でやりました。本試験と同じということは、四者択一の設問の答えをマークシート方式の解答用紙に記入する、ということです。マークシートなんてここの学生は知らないから…

サハリン消息/教材申請

国際交流基金へのさまざまな助成申請は、年中行事のようなもの。今年も教材申請のために目録を繰ります。 申請書に書き込みながら、つと立ち止まって(立ち止まるのが好きなのです)、しばし考えます。なんと多くの書物や道具に取り囲まれて仕事をせねばなら…

サハリン消息/CIS日本語弁論大会

今はどうか知らないが、私がいたころのブダペストの地下鉄はスリが多くて、日本人で被害にあう人も何人もいました。私はずっとやられていなかったが、日本に帰る直前に、パスポートと航空券をすられました。財布は無事でした。しかしパスポートを取られたの…

サハリン消息/犬の風景

寅さんがうちの町でロケした映画が、このあいだNHK・BS2で放映されました。当時映画館で見て以来、久しぶりの再見です。70年代初期(1973年?)の製作ですから、もう30年以上も昔です。寅さんやさくらが降りてくる駅のホームに蒸気機関車が止ま…

サハリン消息/紅葉

ユジノサハリンスクの初雪は10月25日でした。だからもう季節は終わってしまったのですが、サハリンの紅葉はなかなかのものでした。しかしそれを愛でる期間は短かった。まったく気づかずにいたのです。10月12日に赴任先の大学を会場に「ロシア極東・…

サハリン消息/冬、時間の復帰

10月30日、夏時間から冬時間、つまり本来の時間に移行しました。サハリンは北海道の真上にあって、経度がまったく違わないのに、これまで2時間も時差がありました。それが1時間になった。たかが1時間ですが、やはりありがたい。ここに暮らしていても…

サハリン消息/子供好きじゃないと日本語教師は勤まらない?

子供好きでない人が小学校の先生をしているとは思えません。しかし大学の先生ともなると、子供が好きでも嫌いでも関係ないじゃないか。そうなんですけどね。旧ソ連ではこのへんの事情がちょっと違います。 ここでは教師は女性が多く、語学教師となればほとん…

サハリン消息/ホテルの宣伝ではなくて

われわれ西の方の人間にとっては、北海道は遠い。昔一度だけ行ったことがあります。舞鶴からフェリーで小樽へ行き、苫小牧から仙台へやはり船で渡りました。北大のポプラ並木を見たこと、まだ深名線があった頃で、それに乗ったこと、町が碁盤目の通りででき…

サハリン消息/「サーシャ」の影

着いたら、まず在留届を出しに行く。公的派遣であれば当然です。そのとき総領事館の人から安全上の注意を受けます。 フランス人がメッタ刺しにされて殺されただの、事例をいくつか聞きましたが、日本人が被害に遭った例として、夜、ドアをうるさく叩きながら…

サハリン消息/腰の軽い人たち

先日、ロシア極東・東シベリア日本語弁論大会がここユジノサハリンスクで開かれました。ウラジオストク・ハバロフスク・ユジノサハリンスクの総領事館のある3都市持ち回りで行なわれている大会で、今年はサハリンの番だったのです。 この地域に日本から公的…

サハリン消息/黒板消し

サハリンに赴任してまず最初の驚きは、「教室に黒板消しがある!」ということでした。ふつうボロぎれですよ、字を消すのは。ウズベキスタンにいたとき、ウズベク語の勉強にと独習書を買い、付録のウズ英対訳単語帳で第1課の語彙を調べていたら、見慣れぬ英…