2022-01-01から1年間の記事一覧

カタールW杯雑感

今回の日本代表には期待していなかった。選手には期待する一方、監督に期待が持てなかったからだ。 あの監督は、決まった時間に決まった選手を同じポジションで交代させるだけで、負けていたり滞ったりしている状況を打開できず、それが大いに不満だった。無…

ヴァガボンドとして、スパイとして

日本野鳥の会の主宰者として知られる中西悟堂(1895-1984)は、松江に住んでいたことがある。普門院の住職として1922年から2年たらずの間であるが。その前には安来の長楽寺にもいた。 悟堂は金沢生まれであるが、生後すぐ東京に移り、そこで成長した。本名…

かるた、かるた、かるた

「あきのたの かりほのいほの…」 いや、困った。声が裏返る。息が続かない。年を取ったか。中国にいたときはちゃんと詠めたのに、と思う。ブランクがいささか長かったと痛感するネパールの教室である。 日本語教師にとってかるたは重要な教材だ。動詞絵カー…

祭りをせんとや生まれけむ

ネパールの首都カトマンドゥの川をへだてた南に、古都パタンがある。そのさらに南4キロほどのところに、人口1万人ばかりのスナコチという村がある。今年初めそこで2つの臨時祭があった。 1月23日、この村のバルクマリ寺院の本尊の像がなくなっているのがわか…

テロ? 暗殺?

元首相が殺害された。影響力の大きい人物であったこと、選挙演説中であったこと、銃撃という今の日本ではきわめて珍しい方法であったことで、衝撃的であった。だが、これは「テロ」なのだろうか?「暗殺」なのだろうか? 政治的主張がないところにテロはない…

明治日本?

カトマンドゥの町を歩いていて目につくのは、私設の小さな学校の多さだ。オーストラリアやイギリスなどの英語圏や日本(最近は韓国も)への留学手続き代行をするコンサルタンシーなるもので、わずかひとつふたつの教室を構え、そこで入学許可を得るための外…

オタクは輝いている

言語は道具である。だからコミュニケーションの手段として学ぶのが正道だ。それはたしかに正道であり王道であるが、覇道でもある。コミュニケーションの道具としての学習法は、要するにジプシーの言語習得である。もちろん、ジプシーは人間のひとつの究極だ…

スピーチコンテストさまざま

さまざまな国でスピーチコンテストが行なわれている。参加者たちのスピーチにはその国の習慣伝統や課題問題が現われていて、なかなかに考えさせられるものがいくつもある。また、そのやりかたには国情が映し出されていて、その点もおもしろい。 トルコの大会…

オンラインは壁なく壁あり

ハバロフスクで教えていていたのは前世紀の終わり、まだ日本語の教師として経験の浅いころだった。大学の教室にはビデオ機器がないが、幸いすぐ近くに日本センターがあったので、そこを借りてビデオを使った授業をしようと手はずを整えたのだけども、始まる…

暖かいシベリア

暑いのが苦手で、冬に雪が降るところでばかりで働いていたが、バンガロールやボルネオでの滞在を経験して、要するにヨーロッパというのは極地地方だとわかった。そこまででないとしても、「暖かいシベリア」というのは妥当な表現であろう。緯度的にも。 チュ…

そんなに鎖国したいのか

カトマンズのタメル地区に、「日本言吾の本3000冊あります/半客頁で買い戻し」「日本の本買います日本の本売ります」などという看板を出し、文庫本を山積みしている古本屋がある。以前はヒマラヤ銀行やノースフェイス、チベット書店などの並ぶ一等地と言っ…

ネパール再訪

もう年金ももらえる歳だから、飛んだり跳ねたりせず田舎でじっとしているのがいいのかもしれないが、それも性に合わず、出かけられるようになったのを幸い、のこのこネパールに来てしまった。外国ではさまざまなささいなことに気づかされ、そのことが不便は…