2021-01-01から1年間の記事一覧

アルツハイマー?

物忘れは昔からの古なじみだが、最近は頻度も程度も上がっていると感じる。人の名前が出てこないのが特にひどくなった。 夢の中でも名前が出てこない。どういう夢だったか忘れたが、森鴎外の系譜に連なる人について考えていて、柳田国男、斎藤茂吉、石川淳、…

「温泉津誌」刊行

温泉津を探りながら世界の深みへ落ち込んでいくようなものを書きたい、と思っていた。立論や断定を避け、類似をあちらこちらに見出す喜びを友に。南方翁に倣って。 はからずもこのコロナ禍で逼塞している間に、不十分ながらそれを一応まとめることができて、…

ポツンと数軒家

コロナ流行以来、これ以外のウィルスが減りでもしたものか、ずっときわめて健康で、風邪ひとつひかなかったのだが、ワクチンを打ったらとたんに頭が痛くなった。「ワクチン風邪」をひいてしまった。頭が痛いと本が読めず、パソコン作業もできない。テレビを…

村の論理、村の倫理

タリバンについてさして知識があるわけではないので、まちがいがあればいつでも訂正する。 最近アフガニスタンのニュース映像で目にしたのは、腐敗した外国の傀儡政権が地生いの勢力によって打倒された光景だ。南ベトナム崩壊と同じ、あるいはかつてのアフガ…

尊王攘夷

コロナに打ち勝った大会が開かれた。ロンドンで。 コロナに打ち負けた大会が開かれた。東京で。 オリンピックを開催したところで、それが無観客ならほとんど意味はない。テレビ局への奉仕であるだけだ。無観客試合は、サッカーではホームチームやそのサポー…

モンゴル妖怪名彙メモ

新型コロナのため実現しなかったけれど、内モンゴルに調査に行く計画があって、それに備えて日本語の文献からモンゴルの妖怪を抜き集めてみた。昔話や伝説の中に現われるものと実際に民俗社会で恐れられているものが混在しているが、とりあえず管見に入った…

いつのまにこんなに

5月末からサッカー日本代表の9連戦というのがあって、女子代表のメキシコ戦以外は全部見ることができた。全勝。A代表とU24の試合があったが、あれのU24代表は除いて。 代表チームの強さに驚かされた。点もバンバン取っていたが、何よりもシュートを打た…

世代方言簡易アンケートの調査結果

石見地方の大学生5人と高齢者(60歳以上)5人にアンケートに答えてもらった。ごく簡単なもので、回答者も少なく、予備調査のようなものである。回答者はすべて沿岸部出身者だった。山間部で聞けば結果は多少違ったかもしれない。 1-4は世代差を見るための問…

石見方言への標準語と新方言の浸透

甲南大学方言研究会の「JR山陰本線出雲市-飯浦間グロットグラム集」(2017)というたいへんおもしろい調査報告がある。この研究会は同じ調査方法で「JR山陰本線石見福光―松江―伯耆大山間グロットグラム集」(2008)・「JR山陽本線広島―岡山間グロットグラム…

ヒヤミズピック讃

ボルネオにいたとき、ちょうどアジア・マスターズ陸上の大会があり、それに朝原選手らの400メートルリレーチームが出場すると聞いて、見に行った。チームは45歳以上の部で世界記録を出して、みごと優勝した。その記録がどれほどのものかと思って調べてみたら…

五輪組織委員会長職

五輪組織委員会の会長が辞任して、後任をどうするかという話になっている。 辞任に至るきっかけは、ほとんどフレームアップである。コンテクストの無視によって、大した問題でないものが拡大されてしまった。なるほど失言をしたし、それは不適切であった。「…

家族同姓

前近代において、名前は変わるものであった。近代ではそれは固定されている。筆名芸名や雅号など、あだ名や通称、犯罪や潜行のための偽名など、本名を冒さない範囲でのまたの名があるばかりで、当局に登録した名前は簡単に変えることができない。縛られるの…

山陽快晴、山陰は雪

先日、東京からの帰り道、岡山からの伯備線で、いつもの冬の山陽快晴、山陰積雪の風景を見た。関越道の立往生が発生した寒波のときである。 雲もほとんどない晴れた広島を出たバスが快調に走行し、少しうとうとしかけていたら、やにわに速度を落としはじめ、…