河南

宋寨村の村芝居座について補足的に

宋寨村は、河南省の懐慶府(今の沁陽)や清化鎮(今の博愛県)の近くにある村である。清朝最末期の明治40年(1907)に当時中国に留学中の桑原隲蔵が(宇野哲人とともに)長安への旅の途上にこのあたりを通っているので、その日記を見てみよう(「考史遊記」…

懐梆 −宋寨村を例に−(郭雪奕)

はじめに 中国河南省の焦作市、沁陽市、博愛県、温県、武陟県、修武県などは、明清朝において懐慶府と呼ばれ、当地の方言で「懐梆」という劇を作りだした。沁陽市紫陵鎮の宋寨村では地元の劇団がその劇を保持発展させている。日本の村歌舞伎と対照しながら、…

QQする私

ビザのつごうで、盆明けすぐに四川省へ渡った。だが、到着翌日に健康診断を受け、書類を渡すと、もう用事はない。まだ休み中で、学生も先生もおらず、図書館も閉まっている。どこかへ出かけたらよさそうなものだが、暑いとどこへも行く気がしない。雨が降れ…

外国暮らしのこんな楽しみ

ひとり身の外国暮らしは、仕事はそれなりに忙しくても、雑用がほとんどないので、かなり暇がある。本を読むにはもってこいだが、いかんせん肝心の本が少ない。恒常的に本に飢えている。しかし、前任者やその他の日本人が置いていった本がどこかに溜まってい…

千年の田舎

これまで、カザンだとかフェルガナだとかカイセリだとか、古い歴史はあるが一般にはあまり知られていない町に好んで暮らしてきた。今回河南省の焦作に職を求めたのは、なるべく人の少ないところへ行きたかったからだ。中国はとにかく人口が多すぎて、大した…

金門島で考える

別にFacebook依存症ではない。1週間か2週間に1度のぞいてみるだけだ。写真をのせることぐらいしかしていない。ひと月くらいいじらなくても大事ない。しかし、全然できないとなると話は別である。私のページに書き込みがされたようだ。友達リクエストも4つ来…

要するにソ連だ

中国に来るまで知らなかったが、この国ではFacebookやYouTubeが見られない。Facebookは趣味の領域だからいいが、YouTubeは実害がある。日本の踊りや芸能を紹介するときに非常に参考になるのだが、ここではその方法を奪われているのだから。ウィキペディアの…

焦作から中国を見る

焦作という町を知っていますか? いったいどれぐらいの日本人がこの町のことを知っているだろうか。私は知らなかった。ここに来ることになるまでは、まったく聞いたこともなかった。 知らなければまずウィキペディアに聞け。時代の行動原則にしたがって、「…

かるたアニメ

北京で百人一首かるた大会が毎年行なわれているらしい。それにうちの大学からも参加させられないだろうかと考えた。しかし、そのためには百人一首を全部でなくともある程度覚えねばならず、それは古語で書かれている。日本語(現代口語)の勉強に直接役に立…

「単一民族国家」

アルメニアで暮らしてひとつの驚きだったのは、アルメニア人にしか会わなかったことだ。少数民族に興味と好意を(なぜか)もっているので、どの国に行ってもそこの少数民族の知人ができる。気がつくとまわりは少数民族だらけだったりする。犬好きは犬が知る…

弁論大会の両極

いろいろな国で日本語弁論大会に関わってきて、知識も経験もそれなりにあるつもりでいたが、なにごとにせよ奥は深い。今年になって弁論大会の両極端を4か月のスパンで体験した。 トルコにいたときの教え子で当時留学中だった学生が参加したので、「第54回外…