2014-01-01から1年間の記事一覧

中国覚え帳/ブログやってます

だいたいが首都がきらい、いなかが好き、という人間なもので、好んで地方の大学に赴任する。そして、赴任先の大学で雑誌を作る、というのが行動パターンだった。最近はそれがメールマガジンになり、ブログになった。紙も印刷代もいらず、より多くの人に見て…

中国覚え帳/ためこまず、あたたかい

中国人は日本人とだいぶ違うだろうと思っていた。大陸の民であるし、歴史も違うし。ところが住んでみると、実は非常によく似ていることに気がついた。 しかし、まったく違う点ももちろんある。たとえば次のような。 中国人と日本人を比べると、中国人のほう…

この地上には漢字圏というものがある

中国の日本語科の新入生は、いきなり新しい名前を得る。「シー・チンピン」(習近平)が「シュウ・キンペイ」になるように。李小龍が「ブルース」なんてまったくの英語名をつけるのと違い、字はそのままで日本語名がつけられてしまうのだから、ちょっと笑っ…

QQする私

ビザのつごうで、盆明けすぐに四川省へ渡った。だが、到着翌日に健康診断を受け、書類を渡すと、もう用事はない。まだ休み中で、学生も先生もおらず、図書館も閉まっている。どこかへ出かけたらよさそうなものだが、暑いとどこへも行く気がしない。雨が降れ…

WMブラジル大会雑感

今大会のベストゴールではないかもしれないが、もっとも印象的だったゴールは、ファン・ペルシーの長い距離からのダイビングヘッド、キーパーの頭を越すヘディングシュートだ。 サッカーは「全身的スポーツ」である。頭を使うスポーツはほかにあるだろうか?…

漢字は世界*への扉(*ただし東方の)

インドと中国の違いはたくさんあるが、英語の通用度もそのひとつだ。バンガロールは異常に英語の通じる町で、それ以外のインドでは人々は実はそれほど英語を解さない。何割のインド人が英語が話せるのかわからないけれども、2割という説があり、実際そのくら…

ダルマは日本へ

禅宗の始祖とされるダルマ、つまり菩提達磨(ボーディダルマ、菩提達摩とも書く)は、禅僧としてもっとも高名であるにも関わらず、たしかな生涯はわかっていない。インドから来たとされるが、インドには何も伝がない。その伝記は中国人による。次のようなも…

外国暮らしのこんな楽しみ

ひとり身の外国暮らしは、仕事はそれなりに忙しくても、雑用がほとんどないので、かなり暇がある。本を読むにはもってこいだが、いかんせん肝心の本が少ない。恒常的に本に飢えている。しかし、前任者やその他の日本人が置いていった本がどこかに溜まってい…

千年の田舎

これまで、カザンだとかフェルガナだとかカイセリだとか、古い歴史はあるが一般にはあまり知られていない町に好んで暮らしてきた。今回河南省の焦作に職を求めたのは、なるべく人の少ないところへ行きたかったからだ。中国はとにかく人口が多すぎて、大した…

エヴェンキ族ノート (2)

5. エヴェンキを始めとする北方の人々は、「民族」とは何かという問いを突きつける。 中華人民共和国には55の少数民族が住んでいると言われる。そのうちの2つが北辺に暮らす「鄂倫春(オロチョン)」と「鄂温克(エヴェンキ)」だが、それは1950年代以降…

金門島で考える

別にFacebook依存症ではない。1週間か2週間に1度のぞいてみるだけだ。写真をのせることぐらいしかしていない。ひと月くらいいじらなくても大事ない。しかし、全然できないとなると話は別である。私のページに書き込みがされたようだ。友達リクエストも4つ来…

要するにソ連だ

中国に来るまで知らなかったが、この国ではFacebookやYouTubeが見られない。Facebookは趣味の領域だからいいが、YouTubeは実害がある。日本の踊りや芸能を紹介するときに非常に参考になるのだが、ここではその方法を奪われているのだから。ウィキペディアの…

焦作から中国を見る

焦作という町を知っていますか? いったいどれぐらいの日本人がこの町のことを知っているだろうか。私は知らなかった。ここに来ることになるまでは、まったく聞いたこともなかった。 知らなければまずウィキペディアに聞け。時代の行動原則にしたがって、「…

エヴェンキ族ノート

1. ビハル州のガンジス河沿いの町サヒブガンジの南にあるラジマハール丘陵には、北方ドラヴィダ語のひとつマルト語を話す焼畑耕作民マーレル人(パーリア族)が住んでいる。1963年、若き研究者佐々木高明と山田隆治は彼らの村にテントを張って調査した。彼…

高校サッカー選手権雑感

天皇杯も高校サッカーも、見ることができる年は必ず見ている。今年は幸い見ることができる年だった。決勝戦だけだが。 富山第一対星稜の決勝は、得点経過が劇的だった。それ以外は特に秀でていたわけではないが、それを忘れさせるほどの展開だった。前半、富…

かるたアニメ

北京で百人一首かるた大会が毎年行なわれているらしい。それにうちの大学からも参加させられないだろうかと考えた。しかし、そのためには百人一首を全部でなくともある程度覚えねばならず、それは古語で書かれている。日本語(現代口語)の勉強に直接役に立…