昔は歌を

昔は歌をよみしかど
心やかたくなりにけん
結べる口をほどきしは
学生やさしき心ばへ


ひとり居は長くこの身の習ひなり よきおとづれに不意を打たれし

三十日あまりひと日弥生のつごもりの空やすずしき人やうれしき

人ごとに春はちがへど空晴れて春や昔の春ならねども

通ひ路に見るその山のいただきの白きは空の青によりてぞ

この花はあんずすももか知らねどもこの花白しこの花を愛づ


学生に教室に呼び出されたら、誕生祝いだった。どうやって知ったのか。冥途の旅のキロポストとはいえ、うれしいものだ。久しくよまなかった歌がポロポロできた。心が一瞬若やいだのだろう。むろんヘボ歌だが、巧拙をもって載せるのではありません。
(2010年3月31日)